ポンコツイタ車が文字通りポンコツになる(2)

かくして、物置ふたつとついでにベンチまでLidlのオンラインショップで買った私たち。1週間を待たずにベンチがやってきた。嫁母ニコニコ顔。が、その数分後、階下でガヤガヤやっている。

 

嫁父:「だから言っただろう。ネットなんかで買い物するから」

 

…なんだ、どうしたって聞いてみると、

 

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ポキっと折れていたベンチの裏。こんな簡単に折れていたってことはこのベンチ、長持ちしないわな。

 

なんでもベンチの裏の一部がすでに破損していたそうな。

 

返品交換…ですね。

 

それから数日後、今度は物置がやってきた。

 

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そりゃ物置なんだからでかい。でかいは重いわ。パレットつきでやってきて、パレットはなぜかうちに残されてしまった。

 

箱を開けて思った。プラスチッキーだ。いや、プラスチックなんだからそりゃそうなんだけど、なんていうのかな、溢れ出る安物感。

 

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お買い得!お買い得なんだってば。

 

この平常価格459ユーロってのがすでに怪しい。今さら言っても仕方ないのだが、私自身もうちょっとネットで価格比較とかをすればよかったのだが、Lidlの商品は「売り切れたら終わり」なので、なんとなくあの時に買わなければいけないような気になったし、人のせいにしていいなら、嫁母の勢いに押し切られた。

 

かくして、翌土曜日は一日潰れた。組み立てに。

 

嫁父氏の助手として組み立てに強制参加。ただ、まあ、ここで私と嫁父の、あるいは私とこの嫁一家の性格の違いが露骨に出る。そして、IKEAの偉大さに改めて気がついた。

 

IKEAの組立家具、組み立てたことのある人はご存知だと思うけど、まあよくできてるのよ。わかりやすくイラストにされた組立説明書を見ながらやればたいがいのものは難なく組み立てられるのよ。強いて例外を挙げれば一度伸縮してシングルベッドにもなりツインベッドにもなるというシロモノがけっこう面倒だったが。

 

とにかくIKEAの家具、ネジ穴などはすでに開けられているからそこにネジを締めすればいい。例えば左右逆に取り付けるような間違いをしないように穴の位置をずらしてあったりとかとにかく親切設計。

 

翻るにこのプラスチッキーな物置。一部ネジ穴が開いている部分もあるけど基本自分で穴を開けなくてはいけない。ここで私の性格と嫁父の性格のズレがもろに出る。1.8メートルの幅に4箇所ネジ止め…って時に、私だったらテキトーに4箇所ネジ穴を開ければいいや…となるのだが、嫁父は正確に長さを測り、そこから等間隔にするためには…と紙の上で割り算を始める。そしてその位置に印をつけ…。

 

そしてこの組立はIKEAレベルでは無理。明らかにその数段上の技術が要求される。例えば、「ネジ穴を開けてください」って書いてあるのはまあ百歩譲ってよしとしよう。そのネジ穴を開けるべき場所の下は金属。待てやい。一体金属にどーやって穴を開けるんでい。

 

もうこうなると嫁父の独壇場なのだ。そもそもが、うちには2台分のガレージは確保されているのだ。だが、そのうちの一台分には嫁父の日曜大工の工具ほかいろんなものが溜め込まれているのでやむなくこのプラスチッキーな物置を買うことになったのだ。自転車等は物置へ。工具ほかはなんとか地下室へ…という目論見。

 

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右側のガレージを空けてガレージの本来の用途…つまりは車庫に戻そうという魂胆なのだが、いつになりますやら。

 

私、日曜大工などにまったく興味はないので…というか、近来稀に見るブキな人なのでこのガレージの中に興味を持ったことはなかった。今回のプラスチッキーな物置組立で気がつかされたのだが、ここにはなんでも揃っている。

 

まず出てきたのはマキタの電動ドリル。こいつでぐいんぐいんぐいーんと穴を開けてしまう(言うまでもなく、それ以前に穴の位置を決める永遠とも思える儀式があったわけだが)。ほかにも日本語でなんというのかすら知らんが変な位置おさえの工具、電動ドリルが90度曲がる謎の工具などなど。ああ、でも、これらがなかったら確かにこの物置の組立は無理だったわ。とどのつまり、ブキな私には手に終えるシロモノではなかったということ。

 

そんなこんなで土曜日の朝から晩までたっぷり一日かかって完成。途中端折ったけど、まあ酷いシロモノだった。角がすでに欠けていたりとか。

 

そして、次の土曜日。もう一つの組み立て。

 

この組立前にまた階下で揉めている。

 

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物置の前扉。

 

…なるほど、これは酷い。嫁父曰く、この部分が下に来るので雨水がたまる。ドアがまともに閉まらない。挙句に圧着されているから直しようもない。つまり、交換。

 

この商品に検品とかいう作業はないのだろうか。ちなみに、この物置、イスラエル製。…イスラエルで作られたものって私の人生ではせいぜいトマトか何かの農産物くらいじゃなかったかな。ほかは知らんがもうこの家でのイスラエルという国への評価は地に落ちた。こんなひどい商品を堂々と出荷するなんてありえん…と同意。

 

まあ、私は単なるブキな助手だからいいんだけど、いちいち面倒な作業をしている嫁父は怒り心頭。

 

「二度とネットでなんかものは買わん」

「なんでここに穴が開かないんだよ」(ええ、下は金属ですから)

「曲がってんじゃねえかよ」(なんでここまで何度も正確に測ったのに真っ直ぐじゃないのか私にも謎です)

 

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このあと屋根を取り付けるのだがこの作業も一苦労。

 

結局このドアを残して組み立て完了。

 

話はアホなLidlのカスタマーサービスに。まあ、メールを書いても1週間は軽く放置。ようやく返ってきたメールは

 

「弊社で販売されている商品はずべて厳しい検品を経て…」

 

…嘘こけ。下手なテンプレメールが返ってくるだけ。ようやく電話でまずはベンチの交換に合意。ところが交換は、不良の部品だけでいいのに全部送り返せとのこと。幅が1.5メートルもあるベンチだからその箱の大きさは当然それ以上。それをわざわざ郵便局まで持って行くハメに。

 

そして、物置の部品交換。こちらに至ってはメールに返事すら来ない。ようやく電話したら

 

「では返品してください」

 

…いや、もう組み立ててしまっているのです。仮に組み立てていなかったとしても、巨大な箱は3-40キロの重さがあり、車にも乗らないので郵便局に持っていくのは無理だし、仮に持っていけたとしてもこんな巨大なもの、郵便局からは送れません。…ということを延々説明してただいま返事待ち。かくして、この話、続く(そもそもが「ポンコツイタ車」の話だったような気もするのだが)。

 

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こちらもプラスチッキーなベンチ。10年持てば御の字ですな。