Blackberryを日本語化してみる

日本に帰省していたときから、挙動が不審だったんですよ。いや、私の話じゃありません。私のケータイの話。2年前に上司に買ったのに「こんなケータイ使えん!」と突き返されたといういわくつきのケータイ。Blackberry Storm。まあ、確かに巷での評判は散々でした。重いわ、電池の持ちは悪いは、何より指でのタッチ式の入力方式のため、ごつい指の人には入力は至難の業(それゆえ突き返された)。あ、このケータイ、会社のケータイです。


ただ、それでも私には嬉しかったのね。それまではさらに古いどこで拾ってきたんだという感じのケータイで、このStormは画面がでかいので、ビデオを見るのに適していたし、日本人の指を持つ私にとって、入力は(楽ではなかったけれども)さほど苦にもならず。途中で、日本語で閲覧する方法を発見して、日本語のメールも読めるようにして愛用していた。


それから2年。毎日充電しないと使わなくても電池がなくなったりなどの逆境を乗り越えつつ、使ってきたStormでしたが、日本に行く前から挙動がおかしくなり始めた。突然、メールを受信しなくなるのだ。で、電源を入れなおしてやると「おお、メールを受信するのを忘れてた。すまんすまん」という感じで、動き始める。


で、日本に着いて、東京で最初はメールをちゃんと受信していたのだが、そのうち受信できなくなり、電源を入れなおしてもだめ。しょうがないから、会社のコンピューターに入り込んで(IT担当者の特権)、サーバー側から問題を解決しようとしたけどそれでもだめ。


こりゃだめかと思っていると、突然メールを受信し始めた。もうわけがわからない。


そして、翌日、九州に行くので、ヒコーキの中では当然ケータイの電源は切った。北九州の空港に着いて電源を入れたけどやっぱりメールを受信しない。翌日、麻生元総理のおひざ元の飯塚から博多に移動。その途中に、長いトンネルがあるのよ(地元の方のために書いとくと、八木山バイパスの話ね)。そこをぬけると博多への平野に入るんだけど、その越境のトンネルを越えた瞬間にStormは何事もなかったようにメールを受信し始めた。


飯塚、どんだけ田舎なんだ?


と、その時にはそう笑っていただけだったのだが、再びメールを受信しなくなり、挙句の果てには電源を切ったが最後、再び入らなくなってしまった。電池を出し入れしたりしたけど、まったくダメ(飯塚の皆さん、田舎だと莫迦にして悪かった)。


こうなると困ってしまう。おそらく、インターネットを使ってこのページをご覧になられるような方なら理解していただけると思うけど、ケータイがないってとんでもなく不便なことなのよねん。特にオフ会の幹事なんてやってると。実際、二次会で迷子の人を出しちゃったけど、私は対処できんかったもんね(この件に関しては本当に申し訳ありませんでした。未だに申し訳なく思っております)。


結局、懸命の蘇生活動(電池を入れたり出したり)にも拘らず、救命に失敗。そのまま遺体をダブリンに持って帰る(いくらなんでも捨てて帰るわけには行かないもんねえ)。


日曜日の深夜にダブリンに戻り、月曜日の早朝の会社。


私:「こーゆーわけで、ケータイの電源が入らなくなっちゃった」
上司:「新しいの買いなよ。まだ予算も残っているし」


…軽いねえ。日本の会社に勤めたことはないけど、おそらくこんなに簡単にン万円の商品を買っていいとか言わないよね。たぶん。


そこで目に付いたのは、同じ型の電池。まさかと思って交換してみた。


…あっさり電源が入った。


私だって、会社の予算を無駄にしたくないので、そのまま満身創痍のStormを使い続けることに。その後、たまにメールが受信できなくなるものの、なんとか使えていた。ところが、ある日、電源を入れると…


タッチパネルが反応しない。


これは致命的です。タッチパネルが反応しないと、暗証番号が入力できない。暗証番号が入力できないと立ち上げることすらできない。これは死亡ですな。


というわけで、今度こそ、新しいケータイを買うことに。で、悩んだ挙句に会社でほかの人が使っているBoldにしました。BoldとStormは姉妹機(だと思う)。よーするに、QWERTYのキーボードがついているか、タッチパネル式かの違いで中身はほとんど一緒なのね。じゃあ、なんでこれにしたかというと、


日本語入力ができるのよ。


Stormの場合、あまり売れて見なかったせいか、日本語でメールを読むことまではできてもメールを打つことはできなかった。いや、正確にはとんでもなくマニアックなことをすれば、こっちのフツーのケータイですら、日本語化できるという噂は聞いた(あくまで噂。真相は知らんがな)。だけど、Boldの場合、そこまでマニアックなことをしなくても日本語化ができるのだ。


興味がある人は、Googleを参考にしてもらうとして、よーするに、アジアでBlackberryのサービスを提供しているケータイ会社から日本語のロムを拾ってきて、ちょっとした細工をしてそれをこっちのケータイに入れてしまおうというわけ。実際「ちょっとした細工」は文字通り、「ちょっとした」ことなので、別に専門の技術がなくてもできる話。結果、日本語化に成功。


かくして、ネット環境になくても日本語で世界中からメールを送れるようになったばかりか、思わぬ副産物として、BlackberryのアプリケーションにTwitterが入っていて、どこからでもくだらないツイートを送れるようになった。


これはラッキー♪と思っていたほんの数日後にこんなニュースが。


Blackberryの新機種Torch発売。


…いいんだい。日本語化されてないんだから。いいんだい。いいんだよ…ううっ(涙)。