格安航空券の入手方法について考えてみる


司令:東京からサンティアゴまでとにかく安い航空券を手配せよ


…というメールが突然来たんです。こやつはサンティアゴに一体なにをしに行くのやらとか、別に私は旅行業主任の資格を持ってるわけでもなくシロートなんですけど…と思いつつ、ちょっと調べてみた。


依頼人いわく、日系航空会社だと20万以上するそうな。


(スクショはすべてskyscanner.jpより)


なるほど…21万円もしますな。なんでもいいけど所要29時間かよ。安倍マリオみたいに一瞬で地球の反対側に移動はできないのね…。


まあ、軽くSkyscannerで調べてみますか。あ、ちなみにこのサイトを使わずとも我らの味方Google大先生で「東京からサンティアゴ」と検索すれば出てきます。とりあえず、ジャブ代わりにSkyscannerで調べてみると…


ラン航空で往復14.8万円


所要時間は気持ち長くなったけど、まあ2-3時間の違いで6.5万円安くなるなら、まったく問題ないと思う。


さて、ここからが考えどころです。「とにかく安く」なんだから、手段を選ばず安くしてみせましょう。


まず考えたこと。航空券を2枚にしたら安くなるんじゃないかな…って。で、サンティアゴは東京から見ればまさに地球の裏側です。日本の太平洋を中心にした地図を見慣れていると見落としがちだけど、ヨーロッパ経由で2枚の航空券にしたらどーなるだろう…って。

東京からフランクフルトまで5.5万円

フランクフルトからサンティアゴまで7.5万円。合わせて13万円。


うん。2万円近く安くなった。だけど、この計画には大問題があるのね。フランクフルトで乗り換えなんだけど、もしフランクフルトに遅れて着いて、乗り継げなくなったら完全にアウト。それを防ぐためにはフランクフルトで24時間以上、できれば36時間ほどの乗り継ぎ時間がほしい。…って、ホテル代考えたら意味ねえじゃん。これ。まあ、発想の転換で、ついでにドイツの観光もする…っていうふうに開き直ることができたら「あり」だけどね。依頼者さん、金はなくても時間はあると思われる学生さんだし。


で、そのあといろいろ調べたら、こんな接続が出てきた。

東京=ミラノ往復4.4万円。

ミラノ=サンティアゴ往復6万円。合わせて10.4万円。


そりゃ「あの」アエロフロートですよ(注:私は乗ったことはありません)。だけどさ、なんで東京から九州往復の値段でイタリアまで行けちゃうの?なんかおかしくないですか。これならホテル代まで考えても「あり」だわ。


で、ここまで考えて、数時間後、神の啓示があった。何も乗り換えの場所はヨーロッパじゃなくていいんじゃないかと。アメリカも一瞬考えたけど、残念ながら私には土地勘がない。で、神様の啓示は「ソウル」とおっしゃった。


…いやいやいやいや、これ、納得行かないって。なんで東京からだと14.7万円で、ソウルだと同じ航空会社のくせして4万円以上安い10.3万円なのよ?これに…


ソウルまでのLCC組み合わせても1.9万円プラスで12.2万円。うーん。ヨーロッパ観光も兼ねてというならミラノ経由もありだし、東京からソウルの近さを考えるとソウルも捨てがたい。


でも、これ、未だに「2枚の航空券」なのよね。ソウルに遅れて着いた場合、その先はにっちもさっちもいかなくなるからソウルで相当な時間の余裕を持たせる必要がある。だけど、これが一枚の航空券ならその問題はなくなる。


は?という方。まあ聞いてください。例えば、東京=ソウル=フランクフルトへの移動が必要だったとします。これを「東京=ソウル」(ピーチ)と「ソウル=フランクフルト」(大韓航空)と2枚の航空券を買った場合と、「東京=フランクフルト」(大韓航空)の通しの航空券を買った場合は話がまったく異なるわけ。


この場合、もしピーチのソウル行きが何らかの可能性で遅れてソウルでフランクフルト行きの大韓航空に乗り継げなかった場合、大韓航空は何もしてくれません。乗り遅れた人の責任です。


だけど、通しで「東京=フランクフルト」の航空券を買ってもしソウルで乗り継ぎに失敗した場合、大韓航空は別の便を手配してフランクフルトまで送ってくれます。理由は簡単で、航空券を買った時点で大韓航空には乗客を東京からフランクフルトまで移動させる責務を負ったわけですから(もしか法的には違う!…というツッコミがあるかも。その場合、感想欄でやんわりご指摘くださいな)。


というわけで、「2枚の航空券」は危険が伴うわけ。できれば一枚にしたい。というわけで、東京以外の出発地を検討してみた。


福岡発だと往復で12.1万円。


これに福岡までのLCC往復1.1万円を考えてもまだ東京からのチリ航空の往復より1.5万安い。まあ、東京=福岡の航空券で2枚なんだけど、一枚が日本国内ならこれはこれでありだな…と。


というわけで結論。


サンティアゴまでの航空券は、「東京=ミラノ」「ミラノ=サンティアゴ」の2枚で買うと日系航空会社より半額以下の安さになる。


この発想、いろいろ応用がきくと思いますのでぜひお試しください。もし、これより安くできるという方がいらっしゃれば、後学のためにもぜひ感想欄でご教授ください(実は一つ福岡発が5000円安くなる裏ワザを見つけているのですが大きな声では言えない方法なので掲載を見合わせています)。