【ベルギーの週末2】お一人様の食事風景


件の小便少女像の見学の後、頼まれていたチョコレートを買ったところで、ふと気がついた。


腹減った。


すると、観光名所からちょっと離れた場所に、何やら人だかりができている。近寄ってみると…


立ち食いレストラン。


なんかカッコ良くないですか?立ち食いレストランでパパパと食事をするなんて。なんか地元のパリジェンヌーみたいなー?…というのはもちろん冗談ですが(そもそもパリじゃなくてブリュッセルだしね)、なんか見ていて美味しそうだったのよ。それに、これだけ人だかりができているのにまずいはずがない。


というわけで、カウンターに立つ。

(写真中央やや左のジーンズの女性の肩と、カウンターの高さに注目)


…ってか、カウンター、高いよ。これ、小柄な日本人女性だともう届かないレベルだぞ。


頼んだのはシュリンプ。小エビ。これで8ユーロはまあ高いけど、ブリュッセルの中心部という土地柄を考えると、まあ、こんなもんだという気もする。気になる味はエビがプリップリ…と歌い出したいくらいでして、自信を持っておすすめできるレベルでした。


あとで気がついたんだけど、このレストラン、広場の中にもテーブルがあってそこで食べることも可能らしい(というか、そこで食べるのが正しいらしい)。注文時に名前を聞かれまして、できたらものすごい大声で名前を呼ばれるので自分で取りに行くというシステム。うーん、やっぱりちょっと言葉に自信のない人には敷居が高いかなぁ。


で、まあ、食べることくらいしかネタにすることがないから、続いて夕飯の話になるのだが、夕飯は、あまりお腹も空いてなかったし、仰々しいレストランにとか入りたくなかった。ホテルの回りをぐるぐる回ったのだが、なかなか「これ」というのが見つからないのだ。

(なぜか敷居が高く感じたレストランたち)


ホテルのすぐ近所にあったのが、日本食レストラン。


この日記を読んでくださっている日本語が堪能なあなたならわかってくれるだろう。この日本食レストランの出すダメダメオーラ。正しい日本食という範疇から大きく外れた暴投気味のものが出てくるに決まっている。もっと言ってしまうと、ここ、私の嫌いなバイキング方式。絶対入らんわ。

(お持ち帰り寿司店の店内は明らかにファーストフード店のノリ)


あー、ブリュッセル滞在中、仕事で遅くなっていまさら食事するのも面倒だし、でも、何も食べないというのも…という日がありまして、ふと目に入ったお持ち帰り寿司店に入ったんです。ここももうダメダメオーラを全開にして日本人の侵入を拒んでいたのだが、もう面倒くさくて入ってしまった。


…もう、メニューからしてなにかおかしい。メニューを詳しく見たいというお方は、お店の公式サイト(英語)が便利です。


まあ、こんなもんだろ…というシロモノでした。


話を戻そう。別に日本食レストランに行きたかったわけじゃないけど、とにかくホテル近辺にお一人様で気軽に入れそうな場所が見つからなかったの。土曜の夜に。で、突然目に飛び込んできたものがあった。


赤ちょうちん。


外からは間口は狭く、かつ窓は広告で目張りされているので店内を窺うことはできない。別の意味で怪しいオーラを発しているのだが、でも、かなり自信があった。これは日本人がやっている当たりの店だわ。味よ志という名前も日本人じゃないと思いつかないだろうし、間違いない。当たりだ。


意を決して中に入ると


…我が目を疑った。これ、日本某所の小料理屋さんと言っても誰も疑わない居酒屋じゃないか。違いは、迎えてくれた店員さんもお客もみんな地元の人だったということくらい。


多分ベルギー人のバイトのお兄さんに日本語で「カウンターでもいいですか」と言われはいはいとカウンターに座る。そこは寿司屋のカウンター。カウンターの向こうには日本人の大将がいる。


とりあえずビールで乾杯。…ってこのお通しまで出てきた様子はどう見ても2丁目の交差点から17軒目の居酒屋さんに飛び込みで入ったとしか思えない状況。串焼きとにぎり寿司を注文。


私のカンは大当たりだった。串モノは、焼き過ぎでない絶妙の火加減で出てきた。


うまいうまいと食べていたら、例のベルギー人の兄ちゃんがなぜか刺身定食を持ってきた。なんだよ、日本語イマイチなのかな…でもまあこれでもいいか…なんて思っていたらカウンター越しに大将が日本語で
「カウンターじゃねえだろ。テーブルだろ。お前が注文取ったんだろ」と怒り出し、以下フランス語でブツブツ言っている。なんか不思議な光景でした。

(カリフォルニア巻きなのはご愛嬌)


で、出てきた握り寿司も、海外でいただいていることを考えれば大合格でした。お昼の立ち食いレストランといい、我ながら良い観察眼をしていると自画自賛。