さあ祝え。4月バカの日は俺様の誕生日だっ

4月1日であります。


憂鬱であります。


なぜならば、この日は私の誕生日だからであります。


そりゃ大人になるのが楽しみなコドモならいざしらず、いい大人がさ、誕生日だからとケーキに22本のろうそくを立てて、一つ一つが君の人生だねとか言いながら一緒に火をつけたりするわけないじゃないですか(このネタがわかった方は50代以上認定)。いつの間にかこのトシまで来てしまいました。


いや、実際、アイルランドに来てからは早かった気がする。実際さ、親元にいた時間とアイルランド(とドイツ)に住んでいる時間がほぼ同じになりつつあるんですよ。この点に気がついてぞっとした。あと数年も経てば、「日本に住んでいた時間より海外に住んでいる時間ほうが長い」という恐ろしい逆転現象まで起こります。この先いったいどーなるのやら…と人生の先行きに漠然と不安を覚えたりしてるわけです。


というわけで…結婚することにしました。


…どう考えても話がつながりませんが、ま、そーゆーことです。


このネタを解禁するとね、まあ、あるんだわ。ネタが、泉のごとく。


そもそもがさ、結婚って、申し込まないとダメだよね。いや、式場もだけど、相方に。なんかさ、申し込むために指輪とか買わなきゃいけないんでしょ?もうこの時点で私は頭を抱えてしまった。だって、指輪の良し悪しとかさっぱりわからん。このダイヤはいいダイヤで、こっちのダイヤはダメとかさっぱりわからん。JR時刻表なら読みこなす自信はあるんだけどね。


問題はさ、Cさんを店に連れて行って、「ほら、ここにクレカがあるから好きなの選べ」ってできればいいけど…婚約指輪の場合、無理だよね。街に買い物に行ってさ、「ボクと結婚して下さい。ほら、指輪なら、このショーウィンドウからひとつ選んでいいよ(でも予算の都合で一番下の段だけね)」とかきっと言わないよね。うん、やっぱり自分で選ばなきゃダメだわ。


ここで問題になるのは、サイズ。調べないと。


私は一計を案じた。Cさんの宝石箱の中からひとつ指輪を拝借しようと。それをお店に持って行って「このサイズの指輪ください」ってやれば間違いないと。かくして、ある日、Cさんがいない隙を狙って、Cさんの指輪をひとつ拝借した。


ところが、です。その日の夜になって…


Cさん:「私の指輪が一つ無いんだけど、どこかで見なかった?」


…いや、気がつくの早すぎますから。


結局さ、この指輪、引き出しの奥で見つけたことにして返却。さて、どーしろと。


ここであまりに情けない事実が発覚。件の指輪を自分でつけてみたの。苦笑。Cさんの指輪、私の指にもぴったりだった。


Cさんの名誉のために書かせてもらうと、これはかなりの割合で私のせいです。前回帰省した時もさ、友人の女性(同い年)にしみじみ言われたの。


「あんたって、きれいな指してるね」


自慢じゃないんです。これは取りようによってはものすごい嫌味を言われたんです。すなわち、なんの苦労もしてない指だと。まあ、言い返せないよ。なんの運動もしてなければ、肉体労働をしているわけでなし。なのでさ、ある意味「女の子みたいな」指をしているわけよ。


これは後日談というか、あとあと出てくる話なんだけど、宝石業界の策略に見事に乗せられている私達、婚約指輪のあとは結婚指輪だって話になるよね。で、結婚指輪を見に行ったんだけど…男物の指輪、ことごとくぶかぶかなの。親指にも入る。で、女性用の指輪をつけてみたらぴったしなんだわ。かなり男の沽券に関わる情けない話をしている気がするが、事実なんだからしょーがない。


ただ、もしかすると、私の指のほうが、ほんの少し、太いかもしれない。私のサイズよりひとサイズだけ小さいほうがいいかもしれない。ちょっと自信がない。が、指輪を借りるということができなくなった今、これは賭けに出るしかない。


で、です。もう何十回も書いた通り、私達が住んでいるのはドイツの相当なイナカなんです。近所の町に宝石屋さんなんてない。車を1時間とか走らせないといけない。で、現在自分の車がない。唯一の機会はといえば、ダブリン出張の時。この時に早めに家を出て宝石屋さんに行こうと。


行きましたよ。まあ、ピンからキリまでいろいろありますなあ。だけどさ、数がありすぎて、もうわけがわからなくなった。そして、何よりもこんな大きな(当社基準による)買い物をするのに私のトホホなドイツ語能力ではいささか…いや、大いに不安がある。


そうだ。ダブリンで買おう。


考えてみるとホントにおかしな話です。ダブリンって言ったって、日本人の私には所詮「異国」ですよ。ダブリンは。なのに、そっちのほうが安心して買えるとか思う私、まったくの根無し草というかなんというか。


場所は変わってダブリンのGrafton Street。ダブリンの銀座ですね。まあ、銀座と言っても戸越銀座くらいですけど(冗談でっせ)。ここから1本入ったところに宝石店が並んでいる通りがあるの。そこへ行ってみた。


1つさ、割とシンプルでいいと最初に思ったのがあった。意を決して店内に入り、見せてもらう。


この時新発見をした。指輪って、正面から見るのと側面から見るので見え方がぜんぜん違う。指輪のことなどなんも知らんからうまく説明できる自信がないんだけど、ダイヤの指輪ってダイヤの分だけ出っ張ってるじゃないですか。その台座って言っていいのかな、その部分のデザインがあまりにシンプル過ぎて寂しいという事実に気がついてしまった。うーん。イマイチ。

(ちなみにこの中に私が買ったものは含まれていません。値段に関してもノーコメントです)


以降数日にわたってその辺りの店の前をウロウロする怪しい私。結局買いましたよ。ひとつ。おそらく日本的な「婚約指輪」の常識、誰が言ったか知らないが(私に言わせれば宝石商の陰謀)、給料の3ヶ月分とかに比べるとケチなのだろうが、それでもビンボーな私に言わせると清水の舞台から3度飛び降りたレベルの買い物だった。たださ、気になっていたのは、カラットがどーとかよりも、サイズ。間違ってたら…恥ずかしいし、かわいそうだよね。


というわけで、文章にするとかなり気恥ずかしいと思われるネタ、本日より、開始です。しばらくおつきあいください。


あ、最後に。タイトルは言うまでもなくネタですから本気にして気を悪くしないでね。