ドイツで車を買うまで(3)

というわけで、上でCさんがFiat PuntoからPuntoに乗り換えたことをバカにしながら、ノートからノートに乗り換えることに疑問を感じないのかと自分で突っ込みつつ、ノートについて調べ始める。


まず。ノートにはエンジンが3種類ある。旧型の1.5(109馬力)から1.2(79馬力)にダウンサイジング化されたのは前に言ったとおり。ただ、もっと正確を期して言えば、それは「私の場合」なの。ヨーロッパの場合は、1.4(88馬力)と1.6(110馬力)の2種類の設定があったのね。まあ、どっちにコケても馬力が下がるわけで。こと、私の場合、30馬力も下がるってのはちょっとあんまりな気がする。


ところが、調べてみると、Dig-Sっていう別のエンジンが載ってるノートがあることが判明。なんでもスーパーチャージャーつきのエンジンらしい。


スーパーチャージャー。


なんとまあ、80年代のテクノロジーというか。私の知ってるスーパーチャージャーって、排気量の小ささをカバーするために一部の「かっ飛び系」の軽自動車についている感じ。なんかさ、信号が青になった瞬間にすでに交差点の向こうまで進んじゃってるイメージ。


そんなもんがついていたら燃費が悪くなるだろうと思ったのだが、まったく意味不明なのだが、馬力は79から98に上がり、しかも燃費が良くなるという。そう、そのDig-Sモデルなら、馬力は-11だから、まあ、なんとかなるかなあと。まあ、その他4気筒が3になるとかいろいろあるけど、とりあえず省略。


以上はエンジンの話。その巨大な展示場を持つ「輸入」業者にはそのスーパーチャージャー付きのモデルも取り扱っている。だったらそっちがいいなと。


さらに調べてみると、ノートには基本3種類のグレードがあることが判明(ドイツの場合。しかも限定モデルとかあるけどそこまでいくと突っ込み過ぎなので割愛)。VisiaとAcenta とTekna。一番下のグレードのVistaは値段は安いもののエアコンすらついていない。で、この業者で扱っているグレードは中間のAcentaのみ。


こうなると気になるのは、一番上のTeknaって何よってこと。調べてみると、まず、インテリキーがついている。…ん?逆に言うと、(日本から輸入した)旧型のノートにすらついていたインテリキー、それがTekna以外についていないの?


それ以外にシートの質がどーこーとかいろいろあるのだが、Teknaには前の席に肘掛けがついている。これもにんじん号についていて地味に便利だったのだが、これもTeknaにしかついていない。さらにはオートライトとかも。とどのつまり、にんじん号って気がついていなかったけどグレードの高い車だったのね。いや、もしかすると日本では当たり前の装備がこっちではあたりまえじゃないのだけかもしれないが。


まあ、結局前の車と同じだけの快適機能を求めるとTekna以外の選択肢はないということになった。ただ、その輸入業者にはTeknaの扱いはない。ちょっと行き詰まってしまった。


とりあえず、Dig-S(スーパーチャージャー付き)のモデルがどれくらい走るか試乗してみようと決める。うちから近い順に日産(と取り扱い)ディーラーに電話するのだが、答えが示し合わせたのように同じなのだ。ノートの試乗車は必ず用意されているのだが、DIG-Sモデルはどこにも試乗車がない。なに、スーパーチャージャーモデルって売れてないの?


売れている売れていないの話で行くと、スーパーチャージャー以前にノートは絶対に売れていない。というのも、ノートをドイツの路上でほとんど見かけたことがない。ここ数ヶ月気をつけてみているから自信がある。日本の路上でボルボを見かけるほうがはるかに多い。


もっと言ってしまえば、新型のノートは一度たりとも見た覚えがない…のだ。でも、大きな街には日産のディーラーはあるし、日本的に考えたらノートは日産の中でも売れ筋の車だろうからまったく売れていないはずはないと思うのだが。


で、近い順に5-6か所の日産ディーラーに問い合わせたものの、DIG-Sモデルの扱いはなし。イナカのことです。近所の5-6か所になかったってことは、半径50キロ圏内になかったと同義です。まあ、ものは試しと、にんじん号の登録(しようとした件)でちょっとお世話になった日産のディーラーのスーパーチャージャーがついていないタイプの車の試乗を申し込む。


結論を言うと、ダメだった。ちなみにこっちの試乗って、ディーラーの人、ついてこなかった。書類にサインして、Cさんとふたりで小一時間勝手にドライブしておいでという売る気があるんだかないんだかわからない方式だったのね。おかげで、エンジンをぶん回すことができたのだが。


ディーラーのすぐ脇に高速のインターがあったのでちょっとテストに行ってみた。このインターがちょうどテストにおあつらえ向きのインターだったのね。まず合流。合流したところから上り坂になるの。つまり、けっこう厳しい条件での合流で、乗用車の流れの130キロくらいまで難なく合わせることができるか…という実験。


流れに合わせることは、なんとかできたんだわ。エコモードとかいう燃料をムダにしないモードを切った状態で。だけど「難なく」ではなかった。本気でサードギアで引っ張って(ヨーロッパではオートマ車はあまりみないので、試乗車もMT車)なんとか合流出来た感じ。この調子だと、対面通行の道での追い越しとかかなり怖いわ。ぶっちゃけ1.2(59馬力)のCさんのPuntoと変わらない感じ。20馬力分の力の差を感じなかった。


あ、Puntoもひどいよぉ。この車で追い越しとか考えないほうがいい。なんだけどさ、高速での安定性はさすがヨーロッパ車と褒めるべきか特筆すべきところがある。


おまけ。NOTEの試乗レポート。




(続く)