惜別ルフトハンザ…ホントに大丈夫なのかな。この会社…。

久しぶりにルフトハンザの「いつもの」ヒコーキに乗りました。「いつもの」とはHannoverを日曜日の夕方に出て、フランクフルトからダブリン行きの最終便に乗るルート。もうこのヒコーキに乗ることはほとんどないと思うんですよ。というのも、エアリンガスがHannoverをほぼ同じ時刻に出発する直行便を運行始めたので、時刻の面でも、価格の面でもルフトハンザは太刀打ちできませんので、不本意ながらエアリンガスに乗ることになりそうだと。ということは、ここ5年ほどスターアライアンスの金色のカードを持っていたのですがそれも返上のときが来たと。ちょっと残念ですが、まあ、しょーがないよね。


というわけで、もしかすると最後かもしれないこのルート。惜別の意味があったとは思えませんが、なかなか楽しかったです。


まず。Hannoverからフランクフルトに向かうヒコーキが1時間遅れた。搭乗自体は出発時刻とほぼ同じだったが、搭乗が完了したのにヒコーキが出る感じがまったくなかった。まあ、ルフトハンザの悪口は言いたくないが、これを見てほしい。




機内誌をはさむシートのポケットは破れているわ…


私の席のテーブルは壊れていた。


ついでに言うと、私の席の座面のスポンジ明らかにおかしかった。うまく言えないんだけどさ、行儀よく座るとおしりにミョーな違和感を感じるのね。クッションの位置がずれてるようなそんな感じ。まさか天下のルフトハンザさんが機体の整備をいい加減にしているとは思いませんが、ただ、こんな乗客から見える部分でおかしなことになっているというのは…心配です。


で、まあ、吹き溜まり席(別名エコノミー席)は見た感じ満席だった。運悪く最後の最後に隣の席に若い兄ちゃんが乗ってきた。タンクトップに短パン姿で、まずは剛毛のすね毛が目に飛び込んできた。


兄ちゃんの腕が私の腕に触れたとき、私はぞわっとした。…と言っても別に私はここでゲイを告白したいんじゃない。すねが剛毛なんだから当然腕も剛毛で、その剛毛が私の腕に触れたのね。うわーっと思った。はっきり言って気持ち悪い。


別に私は人間の肉体的特徴をあげつらってどーこー言うつもりはないんだけどさ、もし私が女だったらできれば、つきあうのは胸毛やすね毛が薄い人がいい。腕の中に抱かれたときに腕毛がちくちくしたら…ごめん、私は100年の恋も冷めるわ。何が言いたいのかわからなくなってきたけど、よーするに男の腕毛に私は惹かれないと言いたいのねん。


腕毛は快いとは思いませんが、別に私は吹き溜まり席の狭いアームレストを隣の席と奪い合うような不毛の争いはしませんよ。お隣が使いたいなら使えばいい。で、お隣の腕毛を見るとはなしに見ていたら、まず取り出すは富士通のノートパソコン。ふっと見ると…


…フライトシュミレーターをはじめたぞ。


これはある意味盲点だったわ。なるほど。ヒコーキの機内でフライトシュミレーターをやればものすごく臨場感があって楽しめる(…ような気がする)。ちなみに私はやったことはないんだけどさ。…ただ、この人ヒコーキが遅れることを知っていたのだろうか。そうじゃなきゃ、離陸前の一瞬でフライトシュミレーターを立ち上げようとはきっと思わないよね。


なんだかんだでほぼ1時間遅れでヒコーキは出発。当然の帰結として、到着も40分ほど遅れた。


それからまずは日本の新聞が読みたかったのでダッシュでラウンジへ。そして、ダブリン行きの搭乗口へ行ったものの…搭乗の気配なし。ちなみに定刻は9時35分。9時15分くらいにアナウンスがあり…


アナウンス:「使用予定の機材到着が遅れております。機材がまだ着いておりません。つきましては午後10時以前に搭乗のご案内をすることはないと思われます」


あら。


これはテンションあがるぞ。フランクフルト空港、近隣住人が深夜早朝の飛行差し止め裁判を起こし、勝訴してしまったので、午後11時に「門限」ができて、それ以降の利発着が禁止されてしまった。そう、日本の某千葉県の国際空港でも同じようなことを聞いたような覚えがありますが…ただ、Google Mapとかで見る限り、フランクフルト空港ってさほどの住宅密集地にあるとは思えない。事情を知らない部外者の戯言としては、いったいどこの誰が飛行差し止めを要求したのか謎。



大きな地図で見る


まあ、そんなわけで、午後11時に離陸できなければヒコーキは運行中止というなかなかの背水の陣なわけよ。これはもうワクワクが止まらない(←ちょっとした病気ですね)。


時間があるならとラウンジに戻るが…ケツの座りがよろしくない。確かにアナウンスで午後10時以前の搭乗はないといった。だけど、もし聞き間違いだったりとか、あるいは突然状況が変わったとかでヒコーキに乗り遅れたら…激しくアホだな。そんなふうに考え始めるとラウンジでのんびりしている気分にならず、ものの10分で搭乗口まで戻ってきた。


もちろん状況が変わるはずもなく…午後10時半になっても搭乗案内がない。この時点で私は見切りをつけた。だって、10時半から搭乗して午後11時までに飛び立つってどう考えても無理だもん。フランクフルト空港併設のシェラトンホテル、まったく面白みのないビジネスホテルだし(それでも五つ星)、あ、待てよ、今日は今は落ち着いてるけどフランクフルトは荒天だったらしく、かなりダイヤが乱れている模様。シェラトンが満室ならまたどっかの湖畔のケンペンスキーホテルに泊まれるかな…とか、アホな妄想が膨らむ。だいたいフランクフルト空港で何度となくヒコーキに乗り遅れて、その度にいろんなホテルに泊まっているのがおかしいのだが…。


午後10時45分。搭乗口でなんか必死なアナウンス。


「まもなく、搭乗を開始いたします。ご存知の通りフランクフルト空港には午後11時に門限があります。この門限を守るために本日機内清掃は省略させていただきました。これが皆様を本日ダブリンまでご案内できる唯一の方法です。どうかご了承ください」


…短いアナウンスながら、いろいろ面白い事実が読み取れる。まず、ルフトハンザは(LCCではない)レガシーエアライン。つまり、機内清掃は客室乗務員さんではなく契約の業者さんなり社内の別の係の人がやっているということ。なので、どっかのRyanairみたいに到着後25分での折り返しは不可能。もし到着後少しでも時間を稼ごうとすると、機内清掃を省略せざるを得ないという。別に私はそれが悪いとは言ってない。私はそーゆーサービスも含めて往復4万円以上の高い金を払っているんだから。
ほどなく搭乗開始。…って無理だろ。200人近い乗客を10分で乗せて、5分で誘導路から滑走路へと向かうなんてシロート目に見ても無理。

(バスを待つ通路にて)


さっさと搭乗が進むかと思いきや…階段を使って階下へ。つまり、バス利用。階段で数分待たされてようやくバスに乗り込む。バスは動き出すとすぐに専用の通路を離れて誘導路のほうに向かい、搭乗口にいたヒコーキの後ろを回りこんで反対側で止まった…なにやってんだ。こいつら。



(この写真で見てもらえば言ってることはわかってもらえると思う。ヒコーキのポートサイド(左側)の階段を降りてバスに乗り、ヒコーキの周りを右から左にほぼ1周してバスが止まったと。マウスオーバーで画像が変わりマウス)


ヒコーキを目の前にしてバスの扉は開かない…もしかして、諦めて到着ロビーに客を向かわせることにしたのか…とか訝っていたらようやくドアが開き搭乗開始。時刻は午後10時55分。…絶対無理。


搭乗はL2とL4ドア使用(一番前のは使わず)。思わず目の前にいた客室乗務員さんに聞いてしまった。「ホントに出発するの?」って。


乗務員:「大丈夫ですよ。管制から例外をもらいましたから」


あら。そんなことがあるんだ。この門限は絶対だと思ってた。まあ、ルフトハンザも必死になるよなあ。もし200人にホテルを提供したら仮に一人30ユーロでも6,000ユーロの無駄な出費。帰りのヒコーキだって当然遅れる(というかキャンセルになる)のでさらに出費が重なり…と。


というわけで出発は午後11時20分。1時間半遅れ。ダブリン到着は午前0時半。エアリンガスの直行便なら午後7時についてるのに…何やってんだ。俺。


ちなみに機長から謎のバス搭乗は「フランクフルト空港の規則により…」だそーです。何だったのかは未だにわからない。たぶん永遠に謎のままだわ。