久々にフライトがキャンセルされる…の巻。

まあ、月に何回もヒコーキに乗っているとたまには遅れたり、キャンセルになったりしますわな。事故にあったりしない限り文句など言ってもしょーがないことだと思いますが。

今回はダブリンからHannoverまでコペンハーゲン経由で向かいました。…ま、通勤路です。この話はおいおいしますけど、あと数日で男子寮(ダブリンのアパート)は閉鎖なんですわ。この半年あまりドイツとアイルランド両方に部屋を持っていたのですが、それももう終了。今後は本格的にドイツに住むことになります。

かくして、引越しの荷物の一環として珍しくスーツケース持参だったのね。別に狙ったわけじゃないけど制限ぴったし23キロのスーツケースをダブリン空港の搭乗手続きのカウンターで預ける。

前日にネットで搭乗手続きを済ませていたから荷物を預けるだけ。…なんだけど、カウンターの私の1.5倍程度の体重があると思われる係のお姉さん、搭乗券を発行してくれる。

係:「あ、搭乗券お持ちでしたか。失礼しましたー」

…と私の会社のプリンターで印刷された搭乗券を見て、発行されたばかりの搭乗券をぽいっとゴミ箱に捨てる。個人情報も何もあったもんじゃない。

ただ、その捨てられた搭乗券、なんか違和感を覚えたの。ぱっと見た私の座席がA(窓際)になってたのね。あれ、C(通路際)を指定したはずなんだけど。

まあ、座席が二重指定されてたらなんか言われるだろうし、過去にこのサイトのコメント欄で指摘されて目が覚める思いがしたんだけど、ヒコーキなんだから座席は必ずある。どっかの寝台特急じゃないんだから立席なんてありえない。鷹揚に構えて参りまっせ。

…と大物ぶったのが間違いでした。この違和感をその場で指摘していればその後のアホなことは一切起こらなかった。

コペンハーゲンまでは荒天のためヒコーキが揺れたことを除けば何も起こらなかった。もう勝手知りたるコペンハーゲン空港、どーせいつもの搭乗口でしょと次の搭乗口の確認すらせずにラウンジでネットを見ながら休憩。

…1時間後。おっとそろそろ搭乗時刻だとラウンジを出て搭乗口案内を見ると

Hannover行きキャンセル。

なんですと?

カスタマーサービスに行ってみる。

係:「は?キャンセルですか?ハンブルグ行きですか?」
私:「いえ、Hannoverです」

わかるといえばわかるんだけど、HamburgとHannoverってよく混同されるんだよねえ。

係氏、コンピューターの画面と数分にらめっこ。そしておもむろに

係:「Hannover行き、キャンセルされてますね。本日は土曜日で運行が少なくキャンセルされた便が本日の最終便となります(間違ってはいないけど、ちょっと違う。今日は一便しかない)。つきましては、お客様はフランクフルト経由でHannoverまでのご案内となります」
私:「はぁ。ちなみに到着時刻はいつですか?」
係:「良い質問ですねえ。…18時55分になります」

…3時間遅れかよ。まあ、フランクフルトを経由するなら当然なのだが。

係:「ただ、気になることがあるのですが。お客様の預託荷物の引換証なのですが、すでにフランクフルト経由になっているのですが…」

なんですと?

…なるほど、指摘のとおりだわ。…と言うことは、ですよ、ダブリンを出る時点で私のコペンハーゲンおよびフランクフルト経由は決まっていたと?

私:「あのー、後学のためにお聞きしたいのですが、このヒコーキのキャンセルの理由はなんでしょう?」
係:「ええっと…よく意味はわからないのですが…」

と惚けつつ、画面を見せてくれた。

画面:「ヒコーキに車輌が接触」

…いや、英語を理解する人ならわかるだろ。これ。専門用語でも何でもない。

今から10年以上前、私の同居人ふたりが某アイルランドのナショナルフラッグとされる航空会社で荷物の荷捌きをしてたんです。ある日、うちに帰ってくるなり笑いながら言うんです。

同居人:「あっはっはっ。今日Galway行きのヒコーキをキャンセルさせちゃったよ」
私:「は?どうしたの?」
同居人:「いや、荷物を載せる車両をホントに『コツン』って感じで接触させちゃって。それでフライトキャンセルになったよ。がっはっはっ」

…がっはっはっで済むあたりがアイルランドと言えるかも。日本で同じことやったら始末書じゃ済まないよね。ただ、「コツン」でヒコーキがキャンセルになるというのはけっこうシビアというか、そこまでして空の安全は保たれているんだと感心すべきことなんだと思う。

話はコペンハーゲンのカスタマーサービスに戻る。

私:「ところで、これって、EU法の補償対象になるんですかね」
係:「それはお客様相談室にメールをしてください」

…とメアドが書かれた名刺大の紙を渡される。

私:「…とりあえず補償対象になるかどうかだけ知りたいんですけど」
係:「でしたらこちらをどうぞ」

…と今度はEU法が書かれた小冊子をもらう。なるほど。とにかく関わりたくない、下手なことを言って言質を取られたくないというのがありありとわかった。別にこっちも怒ってないし、そのまま退散。

新しく渡された搭乗券(=ダブリンで渡されるべきだった)を見るとおーい、もうフランクフルト行きの出発時刻じゃないか。というわけで、ターミナルの反対側の端にある搭乗口まで行く。

フランクフルト行きはCRJ900…あら、こんなヒコーキをSASは持ってるんだ。そして、1時間ちょいの待ち時間でルフトハンザのHannover行きに乗る。これがまた腹立たしい。Hannoverの上空を飛び越えていきやがった。

かくして、フランクフルトを経由してHannoverへは15:55の到着予定が、ぴったし3時間遅れの18:55。ダブリンから8時間近くかかったぞ。直行便なら2時間かからないのに。

ちょっと面白そうなので、EU法の補償対象になるかどうか、メール送ってみますわ。うまくすれば250ユーロほどいただけるはずです。ただ、補償対象は「3時間以上」の遅れで、3時間ちょうどは含まれるかどうかちょっと怪しいし、あんまり航空会社のブラックリストには載りたくないんだけどねえ。