熱帯雨林から届いた電気按摩椅子(もどき)

さて、昨年はクリスマスプレゼントをほぼすべて熱帯雨林(アマゾン)で買い揃えました。実に賢いやり方です。わざわざダブリンから運ぶ必要がない。いちおう機内持ち込みができるサイズのスーツケースを持参しましたが、行きはほとんど空。これは楽。ただ、後日、意識が遠のくほどのどえらい額のクレジットカードの請求書が来たという楽しいオチがあるのですが。


日本でもやっていたのでご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、アマゾンが「タイムセール」ってのを毎日開催してまして、数量限定、時間限定で大幅な割引をしてたんですよね。これを大いに活用させていただきました。そんな中で、目についたものがあったの。


マッサージチェア。


…っていうのはちょっと正しくないな。家にある椅子にくくりつけて使うタイプなのね。これをさ、Media Market(ドイツのコジマだかヤマダ電機という理解でいいです)で見つけて、試して、欲しいなと思ってたの。でもさ、けっこう200ユーロ超のけっこういいお値段でして、シャレで買えるようなシロモノじゃなかったわけね。それがなにやらタイムセールに出てる。


ちょっとシャレで買おうかと悩む。


そしたらさあ、購買意欲を煽るというか、焦らせるのよ。あと15分以内に会計を済ませないと無効になるとか何とか言って。で、もう100%売れてしまいましたとか出てきて、なんだか買わないと損したような気になる(まあ、一部悪徳商法ではお馴染みのやり口ですな…って別にアマゾンが悪徳商法をやっているという意味では決してありませんが)。で、ついと購入ボタンを押してしまった。


数日後、ドイツから電話がかかる。なんかとんでもないでかい箱が届いてるって。しかも、中身がバレバレだって。


…なるほど。事実ですな。


いや、所詮は椅子に括りつけるタイプだから、こんなにでかい箱だとは思ってもなかった。もっと正直に書けば、そこまで考えが及ぶ前に購入ボタンを押してしまったということのほうが正確か。


Cさん:「これ、どうするの?まさか、誰かにあげるの?」
私:「いや、ダブリンに持って帰ろうと…思って…いる…け…ど…」


心底呆れられた。


そして、今日、某イナカの駅から、ドイツ国鉄でHannover空港まで向かいました。もうお約束ですね、1時間に1本しかない4両編成の急行列車、定時に着いたのはいいけど、完全に満席。デッキまで人であふれている。こんな時にドイツ人って、日本人同様冷たい。知らん顔(アイルランドだったら、「何持ってきてんのよ」と冗談を言いながら、場所を開けてくれると思われる)。まあ、なんとかこのマッサージチェア(もどき)の箱と、スーツケースを何とかデッキに乗せる。


Hannover中央駅で乗り換えて空港へ。今さ、多くの航空会社の荷物ってPiece Conceptとかいうのになってるのね。ほら、今までは(日本の国内線は今でも)20キロまでの預入荷物は無料…というやり方だったのに、今は、北米式の23キロまでの「ひとつの」荷物は無料…とかに変わってしまった。だから、10キロの荷物が2つあったら、ひとつは超過料金の対象になってしまうという。今回はスーツケースとこのマッサージチェア。つまり2個口。幸いマイレージカードの会員特典で超過料金はなかったが。


搭乗手続きカウンターで言われたこと。


係:「これはなんですか?」
私:「いや、箱、見ての通り。これ以上の説明はできない…マッサージチェア」
係:「申し訳ないんですけど、あちらの別のカウンターで保安検査を受けていただけますか」


…と案内された、大型荷物の預け場所。すたすたすた。


私:「すいませーん。これ、預け入れたいんですけど」
係:「なんですか、これは」
私:「ええっと、見ての通り、マッサージチェアなんですけど…」
係:「おー、マッサージチェア。試してみてもいいかな?」
私:「いいですけど、私のヒコーキあと30分で出発なんでよろです」
係:「やたー」


…言うまでもなく係の人は冗談を言ってます。


で、箱を開けて、中にスキャナを入れて、ようやく預け入れることができた。


ヒコーキ自体は何の問題もなくダブリン空港に到着。いや、絶対に混んでいると思っていたら、なぜか乗った両方のヒコーキとも隣の席が空いていて楽だった。


ダブリン空港の荷物の引き取りのベルトコンベア。無事スーツケースとマッサージチェアが届いた。それをカートに載せた瞬間に、近くにいた日本人の方と目があった。明らかに「何こいつ運んでんの」という目をされていた。はい、万一この日記をお読みなら(読まれてないでしょうけど)あれは私でした。ちょっと恥ずかしかったです。