消えてなくなったSterlingと”Rescue fare”

おそらく日本ではあまりニュースになっていないでしょうが、また一つ航空会社がこの世から消えてなくなりました。


デンマークの航空会社Sterling。


デンマークの航空会社というのは実は正しくなくて、正確にはアイスランドの会社らしいです。が、ハブ(中心)空港はコペンハーゲンだったのでずっとデンマークの航空会社だと思い込んでました。そう、アイスランドの経済危機が航空会社を潰してしまったと言ってもいいと思います。ともあれ、コペンハーゲンの空港でよく見かけていたので私も知っている会社でした。


ああまたヒコーキネタかと思いの方、だけどちょっと聞いてくださいよ。かなり憤りを覚えているんですよ。今回は。


いきなり話は脱線しますが、去年、胴体着陸をわずかの間に2回もしてSASのQ400という機材が「永久使用停止」となりました。その時に代打としてこのSterlingがダブリン=コペンハーゲン間を飛んだこともありました。友人が偶然乗ったので知っているのですが。ちょっと乗ってみたかった気もします。そういえば、私の日本行のフライト、ダブリン=コペンハーゲン間はSASのフライトのはずなのに、なぜかCIMBER AIRなる会社の機材になってます。


去年ANAのQ400が高知で胴体着陸して、それからSASが2回も立て続けに胴体着陸したのでこのSASのQ400永久使用停止は日本でもニュースになっていたと思います。Q400という機材に批判的な人たちは、SASのこの「英断」を褒めたたえたのではないかと。が、しかし、な、なんと、SASは素知らぬ顔でQ400を復活させます。Q400 NextGenなる名称にて。さて、日本でこのニュースを知っている人は一体何人いるやら。どうせ復活させるなら、別の機材名にしとけばいいものを…と思うのは私だけでしょうか。


話を戻します。こうして一つの航空会社が消えた場合、ほかの会社が”rescue fare”というのを出すことがあります。例えば(あくまで例えです)あなたが成田からソウルまでの往復航空券を大韓航空で予約していたとします。で、ソウルに滞在中になぜか大韓航空が破綻(しつこいけどあくまで例えです)。帰りのヒコーキがなくなってしまいました。




こんな時にANAやJALが「空港使用料や燃油サーチャージを払ってくれたら成田まで乗せてあげるよ」というのが”rescue fare”なわけ。我ながらわかりやすいたとえです。航空会社としては空席で飛ばすのに比べ諸費用を払ってくれる限りほかの客が乗ってくれても何の損はないし、お客の側からも非常に助かるという、ま、ひとつの社会貢献みたいなもんと言っていいと思います。




かくして、今回SASを始め数社がこの”rescue fare”として、諸費用さえ払ってくれればSterlingのチケットを持った客を乗せるよ…としています。さーてお待たせいたしました。アイルランド発の格安航空会社Ryanairも黙っちゃいません。破綻したSterlingの航空券を持っている人に限り税込み100ユーロで飛べるという「特別料金」を打ち出しました。


ただし、これはあくまで「特別価格」。Ryanairの専用のページからのみ出てくる特別運賃です。この運賃で予約した人は、当日空港で無効になったSterlingの航空券を提示する義務があるそうな。さもなければ乗せてくれないというまさに特別料金。




このように、Sterlingでダブリン=オスロ間の予約をしていて航空券が無効になった人のために片道100ユーロでの「特別料金」が用意されています。さしものRyanairもさすがに助け合いの精神を持っているらしい。


…ってちょっと待った。念のために、この区間の同じフライトをフツーに予約した場合どうなるか見てみましょう。




往復税込み128.52ユーロ。


正直これ見て余りのあさましさに呆れはてました。なんと、”rescue fare”より普通運賃のほうが安いという事実。困っている人をもビジネスチャンスとしてとらえるというのはもうまさに守銭奴以外の形容方法が見当たりません。資本主義社会では確かに企業はあくまで営利団体。利益を出してナンボのもんです。


だけどさ、今現在、現に困っている人がいるのに、その人を手を差し伸べるのではなく、手を差し伸べるふりをしてあくまで利益を叩きだそうというこのくされRyanairの火事場商法のようなやり方にはありていに言って反吐が出る思いです。「こんな会社は潰れてしまえ」と公言してはばかりません。私も今後はこんな会社のヒコーキにはなるべく乗らないようにします(なんだ、その「なるべく」って)。